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チャンスへの感謝

去年の秋、大寄せのお茶会で、濃茶席のお点前を担当させていただく機会がありました。

通常は、「教授者」と呼ばれる先生方が担当されることが多いのです。

また、水屋(裏方)も、普通はベテランの先生方が担当する場合がほとんどです。

しかし、私が教えていただいている先生は、

「毎回ベテランが担当していては、若手が育たない。今回は、点前も水屋も、若手に任せることにします」

と決断されたのでした。

しかし、もちろん、亭主(主催者)は先生ですので、全責任は先生が負うことになります。

私以外のお点前担当者は、「若手」といっても、経験が長い人ばかりでした。

先生は、私の家庭の事情も知ってか、一応、「練習してみて、どうしても無理だったら、やらなくてもいいから」と言って下さいました。

でも、それでは情けなさすぎます。

また、お稽古に通ううちに、先生もそうお話してくださったことを忘れたのか、どんどん厳しくなってきました。

最後のお稽古のときにもあまりうまくできず、「今週もう一度うかがってもよろしいでしょうか」と先生にお願いしたところ、「今更お稽古を何回かやったって、そんなにすぐにうまくなるわけじゃないから、自分でやんなさい」と、あっさりと断られました。

先生に甘えてばかりもいられず、毎朝4時に起きて、練習をしました。

前日は、子どもたちが眠りについてからずっと明け方まで練習しました。そろそろ寝なくては、と思い、寝床に就きましたが、心配で眠ることができません。

まんじりとしているうちに、とうとう朝になってしまいました。

こんなときに限って、両親が旅行に出かけていたので、子どもたちを叔母にお願いして、会場に向かいました。

先生は、「皆が見ているのは最初だけだから。途中で私が席に入って、正客と話したりするから、その間は大丈夫」と、緊張を和らげてくださいました。

正客の方のお顔を見ながら、先生は、「次はあなたね」と、お点前の担当を指名しました。

私も2回、お点前をさせていただきました。お茶がおいしく点ったかどうかは、疑問でしたが、何とか間違えずにできました。

どうやら間違えずにできたのは、私だけだったようです。

ある先輩は、「こういうチャンスでもないと、きちんと覚えられないよね」とお話していました。

私はびっくりしました。そういう弟子は私くらいだと思っていたからです。

「昨日は心配で、全然眠れなかったんです」と、その先輩に話しましたら、

「先生は、”眠れないくらいでないと、ホントじゃない”とお話してたわよ」と言うのです。

私のような者にも、このようなチャンスを与えてくださった先生に、ほんとうに感謝しています。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

『感謝の気持ち』わかります。私も以前、勤めていた職場で、チャンスをたくさん与えていただきました。当時は、職場の中でも一番若く、おまけにどちらかというと何をやっても新人類?!といったイメージをもたれていましたが・・・・自分なりの努力はしていたつもり。
脳ミソと行動がチグハグなまま入社して3年で結婚退職。社員を抱える立場になってすぐ『ありがたい・・・本当にありがたい、そして恥ずかしい』そう思いました。失礼ながら在職中はそんな思いを感じることも無く。
今の私はその思いがバネになっていると言った感じでしょうか。本当は『感謝』の気持ちを『恩返し』で表したいところですが、逆に『恩返し』って何だ???と悩んだり。
あれから十数年が経ちます。今は『尊敬する人&目指したい経営者』となっています。たまにオジャマをさせてもらうのですが、いつもあったかい笑顔で話を聞いてくれることに『感謝』しています。
大好きなコーヒーを飲み終え、帰り際に決まって思います。あんなふうに人生送れたらないいな・・・と。

投稿: yukiyuki | 2009年4月23日 (木) 01時07分

yukiyukiさん、コメントありがとうございます。
私も、前の職場でも今の職場でも同じことを感じています。
前の職場では、ブログでも以前書きましたように、入社数日で体調を崩し、入社2ヶ月弱で入院することになり、4ヶ月休ませていただきました。入院する前に、仕事を教えていただいていたときには、電卓を「1」と押したいのに、「2」としか押せず、教えて下さった先輩は、きっと「何なの、この人!?」と思っていたと思います。それでも、丁寧に仕事を教えて下さる先輩ばかりでした。
職場に復帰したときには、クモ膜下出血の手術のために、剃髪したため、5分刈りくらいのヘアスタイルに、帽子をかぶって出社しましたが、「素敵だね」と言って下さる先輩社員もいました。こんな状況なのに、よく会社においてくれたなぁ・・・と、その懐の深さに、今も感謝しています。
また今度、お話したいですね!

投稿: miho | 2009年4月23日 (木) 14時34分

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