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万が一をやり過ごすために

私たちは、職業上、生命保険や損害保険の内容を説明したり、また、その企業に最適な保険を提案したりすることがありますが、少し気になることがあります。

それは、時々、「掛捨て」と「費用(経費)になる・ならない」ということを、混同している方がいらっしゃる、ということです。

「掛捨て」と一般的に表現するものは、「解約返戻金がない」という意味で、万が一(つまり、死亡)の場合にしか、保険金が受け取れない、ということです。(入院や手術の特約は別です)

これに対し、「費用(経費)になる・ならない」というのは、経理処理上の話であって、解約したときに返戻金があるかないかとは直接には関係ない、ということです。

逆にいえば、支払った保険料が全額費用になり、かつ、解約したときに返戻金がある、というものもある、ということになります。

「掛捨て」の保険、つまり、万が一の保障のみの保険がなぜあるかと言いますと、それは、企業に最低限必要な保障を、保険料を安く抑え、多くの加入者に獲得してもらいたいからです。

「万が一(=死亡)」というのは、被保険者(この人が亡くなると保険金が入る、という対象者)にとって、1回だけ(=確率が低い)です(重度障害の保険金、という場合はとりあえず抜きにして)。

誰かの「万が一」の場合のために、多数の契約者(保険料を支払う人)が安価な保険料を支払い、まかなっているのです。

もし、「自分」に万が一のことが起きれば、たくさんの人数の「誰か」が支払った安価な保険料を集めたもので、その保険金をまかなうのです。

これが本来の「保険」の考え方、「相互扶助」により、「リスクを最小限にする」ということです。

しかしながら、保険には、もうひとつの使い方があります。

それは、「資産運用」です。

この場合は、費用になる・ならない、ということでなく、解約返戻金(又は満期保険金)がある保険を選択することになります。

つまり、「万が一」の場合よりも、保険金(返戻金)をもらう確率は数倍高くなります(当然、それが目的なので)。

そこで、返戻金のある保険は、そうでない(掛捨ての)保険よりも、保険料が高くなるのです。もしくは、運用益が少ないが、払い込んだ保険料の総額は確保される場合が多い、と言えるのです。

企業にとっては、まず、企業で、最低限必要な保障に入っているか、を検討する必要があります。

簡単にいえば、【年間の借入金返済額+年間固定費+代表者の死亡退職金】の金額は、最低限必要な保障といえるでしょう。

そして、その額を確保するために、もっとも有効なのは、保険料の安い「掛捨ての」保険に、代表者が高齢にならないうちに加入する、ということです。

なぜなら、上記の金額は、計算すると分かりますが、相当の保障額となります。

それを、「解約返戻金のある」保険に加入する、となると、保険料だけで大変な金額になります(しかも、本当は、入院保障なども付加しなければなりませんが、そういう特約は若干高くつくため、余計に、掛捨てでないと、保険料を支払うことが負担になるのです)。

もし、資産運用のために、解約返戻金のある保険も考えたい、という場合は、掛捨ての保険に加入してから考えても、全然遅くはありません。また、代表者が30歳代等、若い場合は、まだ保険料もそんなに高くはなりませんので、余裕がある場合にはそちらを考えてもよいかもしれません。

「万が一」のための保険は、早く加入するに越したことはありません。

なぜなら、命のことは、誰にも分からないからです。

また、重い病気になってしまうと、加入できなくなることが多いのですが、病気になるかならないか、ということも、誰にも分かりません。

極端な話、加入して数日で「万が一」の場合に遭遇した、ということもあるのです。

中小企業の場合は、代表者の「信用」でビジネスが成り立っている場合がほとんど、といっていいと思います。

また、代表者の自宅等、個人的な資産が、金融機関の借入金の担保になっていることが多いです。

もし、代表者に万が一のことがあった場合に、保険金がなかったとしたら、企業の信用が一時的に大きく損なわれる可能性が高くなります。

それを、資金的に何とかやり過ごして、企業の体制を整えなおすために、掛捨ての安い保障に入るのが、もっとも効果的な「リスク回避」なのです。

また、上記で述べた「代表者の死亡退職金」は、代表者の遺族の生活資金になります。

代表者の役員報酬が生活費の原資になっているとすれば、それがなくなることになるのですから、遺族にとっても大変な事態になります。

また、代表者の死亡により、企業の体制がいつまでも整わない状態に陥ると、金融機関の信用がなくなり、借入金の担保になっている自宅などに着手しなければならなくなります。

「お金の余裕がない」というときほど、保険の重要性を考えていただきたいものです。

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コメント

なかなかお客さんに説明するのがうまくいかないので参考にさせて頂きます。言葉遣いとかちょっと間違うと気まずい雰囲気になったりするので・・・(笑)
来週はいよいよ盛岡ですね!

投稿: VIET-TRI | 2010年10月15日 (金) 08時53分

VIET-TRIさん、コメントありがとうございます。
そうですね。内容が内容なだけに、難しいことが多いですね。
やはり、これ以外のことの提案でも同じだと思いますが、信頼関係がベースになってくるのでしょうね。
お互い、頑張っていきたいものですね。
盛岡、また楽しみにしています。
昨日まで京都におりましたので、コメントが遅くなり、失礼しました。

投稿: miho | 2010年10月17日 (日) 11時49分

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