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震災税制と被災地の現実

受取保険金や国・自治体等からの補助金・助成金により資産を取得した場合には、「圧縮記帳」という制度があります。

会計上、保険金や補助金は益金に計上されますが、資産計上のみでは、減価償却費の金額しか損金とならず、課税上の問題が生じます。

つまり、本来、事故や災害等の損失があったからこそ、保険金や補助金等が企業に交付されるのですが、保険金の対象資産のうち、固定資産は帳簿上、減価償却後の金額が計上されているため、保険差益が生じます。

補助金・助成金については、通常は該当事業に対する資産の導入についてのものですので、当然、益金には計上できますが、それに見合う損金はありません。

そこで、益金に見合う部分の固定資産の取得価額を「圧縮」し(つまり、圧縮損を計上する)、課税上、この保険金や補助金の本来目的を妨げないようにするのが、「圧縮記帳」です。

保険金等の入金事業年度と固定資産の取得事業年度が同一ではない場合、「圧縮特別勘定」を使用し、同一事業年度に益金と損金を両建てすることができます。

また、甚大な被害を受けた事業所は、復旧費用が大幅にかかります。

ただし、広範囲の被害であるため、工事業者が忙しかったり資材が入手できなかったりと、すぐに復旧に着手できないこともあります。

そこで、震災特例法により、「災害損失特別勘定」という科目を使用し、すぐに復旧工事に着手できなくても、工事代金の見積金額により、震災の復旧費用を計上できる、という制度が設けられていました。

しかしながら、この制度は、震災があった事業年度にしか計上できません。

ですから、震災の翌事業年度に保険金が入ったものの、復旧工事をしていなければ、保険金の益金に見合う損金が計上できず、課税される、というケースも当然出てきます。

しかし、現実には、復興計画等々の動向により、震災から1年経過したからといって、必ずしも今後の方向性を決められない、という企業も、まったくないわけではありません。

この制度の特性を生かすために、特別勘定の計上時期を延長していただけないか、と、現場では感じます。

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